上毛かるたについて知っておきたい7つのこと

~つちけ・おかめきけ・すもの~

 

上毛かるた。

群馬県で幼少期を過ごした人ならだれもが通る道です。

1月の予選、2月の県競技大会に向け、群馬県の子供たちは冬休みなどを利用して練習に励みます。

子供たちに群馬県の歴史や自然、人物や産業などを知ってもらいたい、郷土愛を育んでもらいたいという思いから、1947年に誕生したものです。

上毛かるたには公式ルールがあります。

上毛かるたについて知っておきたい7つのことを紹介します。

 

 

1 団体戦と個人戦

上毛かるたには個人戦と団体戦があり、団体戦は3:3で行われます。

(1)両者が向かい合って座り、じゃんけんをして勝った方が札を良く切り22枚ずつに分け前に置きます。

(2)じゃんけんで負けた方がそのどちらかを取り、勝った方が残りを取ります。

(3)それぞれが22枚の札を並べますが、個人戦では3段に、団体戦では2段に、それぞれ平均に並べます(余った1枚は各陣手前の左右いずれかに置きます)。

(4)両方の陣の間は3センチ離し、各段の間および札の左右の間は1センチずつ開け、札と選手の膝頭の間は20センチ以上開けます。

(5)団体戦の陣の幅は1.5メートル以内、個人戦は50センチ以内と定められています。

(6)札の並べ方に工夫をしても良いのですが、団体戦の持ち札は3人で平等に受け持たなければなりません。そして各人の札群の間隔は5センチ以上開けます。

(7)試合開始3分前に合図に従いかるたを並べ始めます。ここで札を取りやすいように並べます。

(8)1分前の合図以降は札を並べ替えてはいけません。この時間を使って取り札の位置を記憶したりします。

これで試合前の準備が完了です。

 

 

2 つる舞う形の群馬県

読み手は必ず最初に「つる舞う形の群馬県」と2回読み上げます。

これを「空読み」と言い、2回とも高い調子で読みます。

この札は取ってはいけません。

この空読みが予令となり、本読みに対する心の準備を行うのです。

2度「つる舞う形の群馬県」と読んだ後の次の札から競技が開始されます。

 

3 読み札は二回読む

競技が開始したら、読み手は各札を必ず2回読みます。

1回目が本読み、2回目が空読みとなり、この空読みが次の札の本読みの予令を意味します。

1回目の本読みは高い調子で、2回目の空読みは低い調子で読みます。

また、どちらの取り札なのかを判定する審判会議などで協議が中断した場合、中断開けは必ず直前の読み札を空読みします。

競技者は空読みから本読みの第1音の発声までは体を静止状態に置き、声も出してはいけません。

絵札を取るときは、押さえても、はじいても、押しても、引いても、飛ばしてもよく、手先が札に早く触れた方が勝ちとなります。

札を取る手は必ずどちらか片方の手のみで、どの札が目的の札なのか分かりやすいように取らなければなりません。

また、競技中に絵札を並び替えることはできません。

 

4 競技のルール

上毛かるたには様々なルールが存在します。

(1)札を取るのは必ず片方の手のみで、使わない方の手は膝の上に置き、膝から前に出さないようにしなければなりません。使う方の手も、札が読まれるまでは膝の上に置くか、膝から前に出さないようにします。

(2)本読みの前に札に触れる「早取り」や、読まれた札の無い方の陣の札に手を触れる「お手付き」などの反則行為が行われると、取り札から1枚相手に渡さなければなりません。

(3)最後の2枚になったら、競技は自動的に中断され、この2枚の札を中央線に30センチの間隔を開けて、1枚ずつがそれぞれの陣を向くように並べなおします。空読みの後に本読みされた札を取った方が、残ったもう1枚の札も取ることができます。

(4)最後の2枚のときに、両方の札を一動作でなぎ払うように取る「払い取り」は反則行為となり、最後の2枚の他、取り札からさらに1枚相手に渡さなければなりません。

 

5 勝敗のつけ方と役札

勝敗のつけ方は個人戦と団体戦で異なります。

(1)個人戦の勝敗は、単純に取った札が多い方の勝利です。もしも22対22の同点の場合は、「つ」の札を取った方の勝ちとなります。

(2)団体戦の場合は、取った札の枚数に、次の役札の得点が加算されます。同点だった場合は個人戦同様に「つ」の札を取った方の勝ちとなります。

このように「つ」は最も重要な札であり、全選手は少なくとも「つ」の位置だけは把握するようにします。

「つ」が読まれた瞬間に全員がほぼ同時に手を出すため、「つ」は最も激しく取り合われる札です。

 

(役札)

親札「つ」「ち」「け」

群馬県の地形・人口・県庁を表した札です。

 この3枚をそろえると10点が加算されます。

 これは、中学生の大会のみ適用されます。

五市札「お」「か」「め」「き」「け」

群馬県の5大都市(太田市・高崎市・伊勢崎市・桐生市・前橋市)を表します。

 この5枚をそろえると20点が加算されます。

 小学生、中学生ともに適用される役です。

三山札「す」「も」「の」

 上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)を表します。

 この3枚をそろえると10点が加算されます。

 小学生、中学生ともに適用される役です。

 

6 「い」と「ら」がピンク

上毛かるたの読み札ですが、「い」と「ら」の札だけ赤く染まっています。

それはいったいなぜなのでしょうか。

上毛かるたができたのは1947年。

敗戦により日本中の元気が無い時代のことでした。

暗くすさんだ時代に生まれた子供たちに明るく楽しく希望になるような何かを与えたい、このような思いで上毛かるたが誕生しました。

荒廃した日本に元気を取り戻してもらいたい、その活力を群馬県から発信したい、との思いから、いろはかるたの最初の文字である「い」の読み札が赤く染められました。

そして、上毛かるた製作時、日本はGHQの占領下にありました。

本来であれば、小栗上野介忠順や高山彦九郎、国定忠治といった人物も取り入れたかったのですが、その思想や犯罪が問題視され、GHQにより不採用にされました。

しかし何とかこの人物たちにも日の目を当てたいと考えた製作者たちは、群馬県で有名な雷とからっ風という気象現象に例えて読み込むこととし、その強い思いを「ら」の赤い札で表現したのです。

また、かるたの箱を開けたとき、「い」と並ぶようにいろは順列を入れ替え、強行な禁止指令に対し精一杯の抵抗を見せたのです。

 

7 上毛かるたの札一覧

あ 浅間のいたずら鬼の押出し(あさまのいたずらおにのおしだし)

い 伊香保温泉日本の名湯(いかほおんせんにほんのめいとう)

う 碓氷峠の関所跡(うすいとうげのせきしょあと)

え 縁起だるまの少林山(えんぎだるまのしょうりんざん)

お 太田金山子育呑龍(おおたかなやまこそだてどんりゅう)

か 関東と信越つなぐ高崎市(かんとうとしんえつつなぐたかさきし)

き 桐生は日本の機どころ(きりゅうはにほんのはたどころ)

く 草津よいとこ薬の温泉(くさつよいとこくすりのいでゆ)

け 県都前橋生糸の市(けんとまえばしいとのまち)

こ 心の燈台内村鑑三(こころのとうだいうちむらかんぞう)

さ 三波石と共に名高い冬桜(さんばせきとともになだかいふゆざくら)

し しのぶ毛の国二子塚(しのぶけのくにふたごづか)

す 裾野は長し赤城山(すそのはながしあかぎやま)

せ 仙境尾瀬沼花の原(せんきょうおぜぬまはなのはら)

そ そろいの仕度で八木節温度(そろいのしたくでやぎぶしおんど)

た 滝は吹割片品渓谷(たきわふきわれかたしなけいこく)

ち 力あわせる二百万(ちからあわせるにひゃくまん)

つ つる舞う形の群馬県(つるまうかたちのぐんまけん)

て 天下の義人茂左衛門(てんかのぎじんもざえもん)

と 利根は坂東一の川(とねはばんどういちのかわ)

な 中仙道しのぶ安中杉並木(なかせんどうしのぶあんなかすぎなみき)

に 日本で最初の富岡製糸(にほんでさいしょのとみおかせいし)

ぬ 沼田城下の塩原太助(ぬまたじょうかのしおばらたすけ)

ね ねぎとこんにゃく下仁田名産(ねぎとこんにゃくしもにためいさん)

の 登る榛名のキャンプ村(のぼるはるなのきゃんぷむら)

は 花山公園つつじの名所(はなやまこうえんつつじのめいしょ)

ひ 白衣観音慈悲の御手(びゃくいかんのんじひのみて)

ふ 分福茶釜の茂林寺(ぶんぶくちゃがまのもりんじ)

へ 平和の使徒新島襄(へいわのつかいにいじまじょう)

ほ 誇る文豪田山花袋(ほこるぶんごうたやまかたい)

ま 繭と生糸は日本一(まゆときいとはにほんいち)

み 水上谷川スキーと登山(みなかみたにがわすきーととざん)

む 昔を語る多胡の古碑(むかしをかたるたごのこひ)

め 銘仙織出す伊勢崎市(めいせんおりだすいせさきし)

も 紅葉に映える妙義山(もみじにはえるみょうぎさん)

や 耶馬渓しのぐ吾妻峡(やばけいしのぶあがつまきょう)

ゆ ゆかりは古し貫前神社(ゆかりはふるしぬきさきじんじゃ)

よ 世のちり洗う四万温泉(よのちりあらうしまおんせん)

ら 雷と空風義理人情(らいとからかぜぎりにんじょう)

り 理想の電化に電源群馬(りそうのでんかにでんげんぐんま)

る ループで名高い清水トンネル(るーぷでなだかいしみずとんねる)

れ 歴史に名高い新田義貞(れきしになだかいにったよしさだ)

ろ 老農船津傳次平(ろうのうふなつでんじべい)

わ 和算の大家関孝和(わさんのたいかせきこうわ)

 

 

まとめ

上毛かるたについて知っておきたい7つのこと

1 群馬県の子供はみんな夢中になる

2 個人戦と団体戦がある

3 県の競技大会がある

4 公式ルールがある

5 読み方も独特

6 役札がある

7 群馬県のことを知ってもらいたいという願い