~『殺人現場は雲の上』7つのポイント~
『殺人現場は雲の上』は、東野圭吾12作目の作品。
新日本航空のスチュワーデス、通称エー子とビー子の凸凹コンビが遭遇する7つの事件簿。
テンポもよく気軽にサクサク読める楽しい作品です。
登場人物
早瀬英子(通称エー子)
東大中退。容姿端麗で頭脳明晰。入社試験と訓練学校の成績は首席。
藤真美子(通称ビー子)
三流短大卒。肥満体質で失敗が多い。入社試験と訓練学校の成績はギリギリ通過。
新日本航空の花のスチュワーデス、通称エー子とビー子。
同期入社でルームメイトという誰もが知る仲良しコンビ。
容姿と性格にはかなり差がある凸凹コンビではあるけれど・・・。
この二人が奇妙な事件に遭遇する。
昼間、乗務中にお世話した男の妻が、自動ロックのホテルの室内で殺害されたのだ!
雲をつかむような難事件の謎に挑む二人の推理はいかに?
さあ、『殺人現場は雲の上』について語りましょう。
1 ステイの夜は殺人の夜
エー子とビー子が鹿児島へのフライトの際の行きつけのスナック『ワイキキ』でパイロットたちと飲んでいたときに現れた1人の男性。
彼は、機内で腹痛を訴えエー子とビー子が世話をした大学の助教授・本間だった。
エー子たちと同じホテルに宿泊している本間は、エー子たちと一緒に酒を飲む。
散開し部屋に戻るが、本間の妻の他殺死体を発見する。
本間も容疑者に挙げられたが、殺害時刻には本間はエー子たちと酒を飲んでいた。
2 忘れ物に御注意ください
某旅行社が考え出した、乳児お持ちの若い夫婦を対象とした旅行パック「ベビー・ツアー」。
エー子とビー子もその飛行機に乗務する。
25組の夫婦が参加したこのツアーだが、乗客全員が降りた後の機内に、とんでもない忘れ物があった。
赤ん坊である。
しかしすべてのツアー客がみな赤ん坊を抱いていた。
いったい誰が赤ん坊を忘れたのか。
事態を整理し真相を探るエー子と、赤ん坊に懐かれるビー子。
3 お見合いシートのシンデレラ
スチュワーデスが離着陸時に座るアテンダントシートは、お客様と向かい合って座ることになるので、お見合いシートとも呼ばれている。
あるとき、お見合いシートに座っていたビー子がとある男性に見初められる。
その男性はビー子の好みのタイプ。
彼からデートに誘われたビー子は、その男性が資産20億を持つ資産家であることを知り、初めてのデートでいきなりプロポーズされる。
そして、ビー子はエー子とともに彼の親戚へのお披露目会に参加する。
4 旅は道連れミステリアス
福岡にある和菓子屋の店主が、エー子とビー子が乗務する東京行の便に搭乗していた。
エー子もビー子もこの店主とは顔見知り。
しかし何だか様子がおかしい。
その店主が、東京のホテルで死体となって発見される。
そしてその横には女性の死体も。
その女性にこのホテルを紹介したのはビー子だった。
5 とても大事な落とし物
エー子は乗務する機内の化粧室でとんでもない落とし物を発見する。
それは、署名のない遺書だった。
その落とし主は間違いなく乗客27人の中にいる。
化粧室を使ったのは、OL風の女性、サラリーマンぽい人、中学生くらいの女の子、禿げ頭のおじさん、中年のおばさん、白髪のおばあさん。
何とか落とし主を6人に絞ったエー子とビー子は、何とか自殺を思いとどめさせようと奔走する。
6 マボロシの乗客
羽田空港内の客室乗務員室に脅迫電話が入った。
脅迫者は、「昨日人を殺した。金を出さなければ新日本航空の乗客を次々と殺す」と言う。
そして空港の駐車場で血の付いた女性用バッグが見つかった。
そのバッグの中には新日本航空の搭乗券も入っていたが、その搭乗券の飛行機に乗っていた乗客の中には、このバッグの持ち主はいない。
しばらくして、その飛行機の乗客で、このバッグの持ち主の女性を見たという男が現れる。
7 狙われたエー子
盛岡のホテルで起きた殺人事件の容疑者として、エー子の元恋人が挙げられる。
そしてエー子は何者かに車ではねられそうになる。
エー子には襲われる心当たりはないが、ひょっとしたら元恋人がアリバイを守るためにエー子を襲ったのではないかという疑惑が出てくる。
元恋人から会いたいといわれたエー子は、単身彼に会いに行くが・・・。