『ミスター味っ子』の魅力7つ

~『ミスター味っ子』の魅力に迫る~

 

『ミスター味っ子』。

1986年から1989年まで週刊少年マガジンで連載された漫画です。

作者は寺沢大介先生。

「下町の包宰」と呼ばれた亡き父が残した「日の出食堂」を、母親とともに支える中学生「味吉陽一」を主人公としたお話です。

「味皇」こと村田源二郎がふと訪れた「日の出食堂」で提供された陽一のカツ丼。

その味に驚いた味皇に招かれた陽一は、丸井善男とのスパゲティ対決をきっかけに、様々な料理人との味勝負に挑んでいくことになります。

様々なところに影響を与えたであろう作品・『ミスター味っ子』の魅力について語りましょう。

 

 

 

1 料理を身近にしてくれた

『ミスター味っ子』の最大の功績は、料理を身近なものにしてくれたことだ。

当時のほとんどの少年たちにとって料理とは、母親が作ってくれた朝ご飯や夜ご飯やお弁当、または学校給食ではなかったか。

たまに家族で外食に行くこともあったかもしれない。

しかし、あくまでも料理とは大人がするものであり、自分で料理をするという少年、または料理に興味を持つ少年は少なかったのではないだろうか。

小学校の家庭科の調理実習で初めて包丁を持ったという少年も少なくはないはずだ。

しかし、『ミスター味っ子』が週刊少年マガジンに連載されたことにより、少年たちは料理に興味を持ち、料理というものがより身近なものになったのではないだろうか。

大人でなくても料理はできる。

この漫画をきっかけに料理人への道を志した少年たちもいるはずだ。

グルメブームを牽引した立役者であることは間違いない。

 

 

2 料理漫画というジャンルの確立

『ミスター味っ子』は、基本的に、ある1つのメニューを他の料理人と対決するという図式がとられている。

1:1の対決のときもあれば、何かのコンテストに参加することもある。

この、「料理対決」という図式は、その後の料理漫画や料理番組のきっかけとなっており、それだけこの作品が多くの人に愛され、浸透していたことが分かる。

『美味しんぼ』などの作品もあったが、少年たちにとって料理漫画と言えば『ミスター味っ子』ではないだろうか。

そして、料理漫画というジャンルを確立、確固たるものにし、その後『中華一番!』や『食戟のソーマ』など多くの料理漫画が生まれる礎となっている。

 

 

3 魅力あふれるキャラクター

『ミスター味っ子』には多くのキャラクターが登場するが、その多くがたくさんの魅力にあふれている。

まずは主人公・味吉陽一。

中学生ながら父の残した「日の出食堂」を母親と共に支えている。

安くて美味しい料理を提供し、地元の人たちを中心に愛されている「日の出食堂」。

大人に対しても臆することなく挑んでいき、創意工夫と努力で、数々の難敵を撃破していきながら、多くのライバルたちと良好な関係を築いていく。

『ミスター味っ子』に欠かせないのは、もちろん「味皇」村田源二郎。

日本料理界の重鎮で、味皇料理界の総帥であり、多くの料理人から敬愛されている。

味皇の絶対的な存在感が作品に見事なスパイスを加えているが、それ以上にアニメでのオーバーなリアクションが有名かもしれない。

作品のヒロインが陽一の母親であることも面白い。

中学生が主人公の場合、同級生やライバルとして登場した女性料理人がヒロインになることが多いのであろうが、『ミスター味っ子』に関しては別。

ときには味見役となり、ときには陽一を叱咤し支える母・法子。

母親をヒロインにしたことにより、作品に恋愛要素が絡まなくなり、ストーリーがブレることなく、料理漫画として芯の通った作品になったのであろう。

その他、堺一馬や中江兵太、丸井善男をはじめとする味皇料理界の面々、甲来軒や岡田屋の主人など、特徴があり個性的な面々が続々と登場するのもこの作品の魅力である。

 

 

4 味の表現

『ミスター味っ子』と言えばこれ。

美味しさの表現のリアクションがオーバーすぎることである、

この大袈裟なリアクションが『ミスター味っ子』を一躍有名にしたと言っても過言ではないだろう。

蓋を開けたら光り出すカツ丼からその歴史は始まる。

あふれ出る肉汁、食材の歯応えや舌触りの描写、豊かな味の表現、料理の特徴を見事に伝えてくれる。

まだ年端もいかぬ子供たちが一丁前に味の解説をするシーンも不自然に見えない。

アニメにおけるリアクションはぶっ飛んでいる。

「うーまーいーぞー!!」と叫びながら口から光線を出す、「ドドンがドーン!!」と言いながら頭が噴火するなどのシーンは有名だろう。

その他にも、泳いだり走ったり空を飛んだり変身したり大阪城を大破したり、その描写はド派手で荒唐無稽。

このアニメのリアクションに原作も寄せていったという逸話もあり、同作者の『将太の寿司』においては、そのリアクションは『ミスター味っ子』原作を遥かに凌いでいる。

 

 

5 再現してみたくなる料理

下町の食堂を支える中学生・味吉陽一の作る料理はどれも身近。

そして再現しやすそうな料理が多い。

実際に陽一の作る料理を再現したことがある人もいるのではないだろうか。

ナス巻きスパゲッティ、パイナップルチキンカレー、パイ包みイワシグラタン、串焼きハンバーグなどなど、つい再現してみたくなる料理が多い。

ちょっと手間暇のかかりそうなものもあれば、普段の料理のほんの少し一工夫加えるだけでよいものもある。

このように工夫やアレンジの幅が広く、ちょっとやってみたくなるくらいの料理がたくさん出てくるところも『ミスター味っ子』の見どころであろう。

 

 

6 料理用語や料理の手法の浸透

今では当たり前になっている料理用語や料理の手法。

それを世に浸透させた立役者は『ミスター味っ子』ではないだろうか。

肉汁やアルデンテなどは、『ミスター味っ子』で使われるようになってから世に広く浸透し、当たり前で身近になった言葉ではないだろうか。

料理方法についても数多く浸透させている。

カツの二度揚げ、カレーにインスタントコーヒー、ステーキを温める焼き石、パイ包みグラタン、紐を引いて温める弁当、揚げるピザなどは、今では定番になっている方法であるが、当時は斬新なものであったに違いない。

ミートソースにナス、ウナギに卵など、今となっては当たり前になっている相性の良い食材の組み合わせも『ミスター味っ子』発信であるものが多いのではないだろうか。

 

 

7 アニメがオリジナルすぎる

人気のある漫画はアニメ化される。

アニメが原作に追いつきそうになると、『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』のように、原作にないシーンを挟んだりオリジナルストーリーを差し込んだりして調整する。

反対に、『ジョジョの奇妙な冒険』のように、セリフの1つ1つまでも忠実に再現しているアニメもある。

『ミスター味っ子』は違う。

全部で99話放送されたアニメの実に半分以上がオリジナルストーリーだ。

みつ子やシゲルのように原作にはいない人物が登場し重要な役割を担ったり、一馬のように原作とは違う設定になっているキャラクターもいる。

味皇をはじめとするリアクションなど、その行き過ぎて振り切った演出は話題となり、人気アニメとなった『ミスター味っ子』。

約2年にわたる放送で、オープニングテーマもエンディングテーマも変わらないというのも1つ特筆すべきことではないか。

オーバーリアクション、オリジナルキャラクターやオリジナルストーリー、名曲な主題歌、原作とはまた違った魅力にあふれるアニメ作品である。

 

 

まとめ

『ミスター味っ子』の魅力7つ

1 料理を身近にしてくれた

2 料理漫画というジャンルの確立

3 キャラクターが魅力的

4 ぶっ飛びすぎているオーバーリアクション

5 再現してみたくなる料理

6 今では定番となっている料理の常識を浸透させた

7 オリジナルすぎるアニメ、主題歌は名曲