東野圭吾『探偵倶楽部』

~『探偵倶楽部』7つのポイント~

 

『探偵倶楽部』は、東野圭吾14作目の作品。

VIP専用の会員制調査機関が事件を解決していく5つのストーリーからなる短編集です。

 

「お母さん、殺されたのよ」―

学校から帰ってきた美幸は、家で母が殺害されたことを知らされる。

警察は第一発見者である父を疑うが、彼には確かなアリバイがあった。

しかしその言動に不信を抱いた美幸は、VIP専用の調査機関〈探偵倶楽部〉に調査を依頼する。

探偵の捜査の結果、明らかになった意外な真相とは?

〈探偵倶楽部〉が難事件を鮮やかに解決!

傑作ミステリー!!

 

さあ、『探偵倶楽部』について語りましょう。

 

 

1 探偵倶楽部

VIP専用の会員制調査機関。

クラブの調査員は男女2人。

男は30代半ばくらいで長身。

日本人離れした彫りの深い顔立ちをしており、黒っぽいスーツを着ている。

女は20代後半くらいで真っ黒な髪を肩まで伸ばしている。

目は切れ長で口元も引き締まっており、間違いなく美人の部類に入る。

 

 

2 偽装の夜

大手スーパーマーケットの社長・正木藤次郎の喜寿を祝うパーティーが開かれたが、そこに離婚を迫られた妻が離婚届を持って現れる。

藤次郎はパーティーを中座するが、その後首吊り死体となって発見される。

発見したのは藤次郎の秘書・成田、藤次郎と結婚し3番目の妻となる予定の江里子、娘婿で副社長の高明の3人。

3人はそれぞれの思惑が合致し、藤次郎の死を偽装しようと画策する。

しかし事態は思わぬ展開に・・・。

(登場人物)

正木藤次郎

大手スーパーマーケットの社長。

正木文江

藤次郎の妻。離婚成立寸前。

正木涼子

藤次郎の娘で高明の妻。

正木高明

正木涼子の婿で副社長。

江里子

藤次郎の3番目の妻になる予定の女性。

成田真一

正木藤次郎の秘書。

麻子

正木家の家政婦。

 

 

3 罠の中

大手不動産会社社長・山上孝三が自宅の風呂場で死んでいた。

以前から心臓の悪かった孝三が風呂場で心臓麻痺を起こした事故死と判断されたが、孝三の妻・道代はいつもの孝三の入浴の習慣と違うことから、孝三は何者かに殺されたのではないかと疑問を抱く。

(登場人物)

山上孝三

不動産会社社長。

山上道代

孝三の妻。

浜本利彦

山上孝三の姉の息子。

高田百合子

利彦の婚約者。

青木信夫

道代の弟。

青木喜久子

信夫の妻。

青木行雄

信夫の息子。

中山二郎

製薬会社勤務。

中山真紀枝

二郎の妻で孝三の妹。

中山敦司

二郎の息子。

玉枝

山上家の家政婦。

 

 

4 依頼人の娘

ある日美幸が高校のテニス部の練習から帰ってくると、自宅の2階で母親が血まみれで死んでいた。

死体の第一発見者は父。

警察は父を疑っていたが、父にはアリバイがあった。

しかし美幸は、父や姉、叔母の様子がおかしく、自分に何か隠しているのではないかと思い、探偵倶楽部に調査を依頼する。

(登場人物)

的場美幸

高校1年生。

的場陽介

美幸の父で薬品メーカー勤務。

的場享子

美幸の姉

的場妙子

美幸の母。自宅で死体となって発見される。

大塚典子

妙子の妹。

中野修

カルチャーセンターの講師。

古川昌子

妙子の友人。

 

 

5 探偵の使い方

夫・佐智男の浮気を疑い探偵倶楽部に調査を依頼した阿部芙美子。

芙美子は、佐智男と一緒にいる女性の写真を見ると、依頼途中にもかかわらず調査を打ち切る。

夫の浮気相手は芙美子の親友・真鍋秋子だった。

芙美子はそのことを秋子の夫・真鍋公一に伝える。

1週間後、佐智男と公一は伊豆のホテルで不審死を遂げる。

警察は、公一が佐智男と秋子を殺毒殺しようとして、誤って自らが毒を飲んでしまったものと判断した。

しかし、探偵倶楽部が知っている真相とは・・・。

(登場人物)

阿部佐智男

産業機器メーカー勤務。

阿部芙美子

佐智男の妻。

真鍋公一

大営通商勤務。産業機器部部長。

真鍋秋子

公一の妻。

 

 

6 薔薇とナイフ

和英大学教授・大原泰三は娘・由理子が妊娠していることを知り激怒する。

相手は誰かを問い詰めるが由理子は頑なに口を閉ざす。

泰三は、大学研究室の中に由理子の相手がいると見当をつけ、探偵倶楽部に相手が 誰か調査を依頼する。

そんな中、由理子の部屋で酔って寝ていた姉・直子の刺殺死体が発見される。

直子は由理子と間違えられて殺されたと考えた泰三は、犯人は由理子の相手だと判断する。

探偵倶楽部の調査結果はいかに・・・。

(登場人物)

大原泰三

和英大学教授。

大原由理子

泰三の娘。

大原直子

泰三の娘。由理子とは異母姉妹。

葉山

大原家の主治医。

吉江

大原家の家政婦。

上野

大学研究室のメンバー。

元木

大学研究室のメンバー。

神崎

大学研究室のメンバー。

 

 

7 総評

探偵倶楽部の2人が鮮やかに淡々と調査を進め、物語の中にしゃしゃり出てこないところが特徴。

これにより、探偵ではなく各事件の登場人物を主人公として物語が進み、分かりやすい構成、展開となっている。

短編集なので1つ1つのエピソードの印象そのものが薄くなってしまうことは仕方がないが、どのストーリーも謎解きそのものよりも、その裏にある真相、どんでん返しが楽しめる。

こういう作品であると、探偵倶楽部の調査員にピンチが訪れたり、探偵倶楽部の正体に迫ったりするパターンもよく見受けられるが、この作品に限ってはそのようなこともなく、探偵倶楽部はあくまでも淡々と依頼された調査をこなすだけ、というところも面白い。

 

 

まとめ

『探偵倶楽部』7つのポイント

1 淡々と確実に調査を進める探偵倶楽部

2 探偵倶楽部が物語にしゃしゃり出ない

3 各ストーリーの分かりやすい構成

4 各ストーリーの謎解き

5 各ストーリーで探偵倶楽部が出す結論

6 事件の裏にある真相

7 どんでん返し

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